HUNTER's LOG
MONSTER HUNTER 0

概要


MHシリーズの基盤にはどのような構成があるべきか、ここではMH0(zero)のタイトルでそれを考えてみたい。なんとなれば、予想されるそれはあまりに地味で、エンタテイメントの商品として提供されることはなかろうという代物である。既存のタイトルの「内部に」各々が構築するよりない。というよりも「自分のMHを作ってしまう」というところにこそ、このゲームの真骨頂があるのだ、ということが語られていくことになる。

舞台はMHXX

既にトップ画像でお気づきかと思うが、このサイトは全面的にMHXXに準拠することになる。何故最新鋭にして大きく飛躍したタイトルのMHWではないのか。

これはひとえに、MHWはここで語られるMH0の要素を意図的にそっくりパージして作られている、ということによる。それがなぜかという話はまた難しいので改めるが、簡単にいえば村がなく、村人がいない点が問題となる。MH0は「村」に暮らす人々がいないと成り立たないものなのだ。

これも今簡潔にいうならば、ハンターとは、普通の村人が分け入ることのできぬ高強度の世界(モンスターの領域)に入り、村人たちの暮らす低強度の世界へと、その強度の一部(富)を持ち帰る者である、と要約される。帰る村、富を必要とする村人たちがいなければ多くのハンターの需要はない。その動線を描けない点が現在のMHWを舞台にできない理由だ。逆にいえば、村人のいるMHならばMHXXに限る必要はない。

ここでMHXXを舞台とするのは、スクリーンショットが簡単に撮れる(Switch版)、という理由がほとんどであり、ただ試みる分には初代MHからXXまでのどのタイトルであっても構わない(個人的な理由としては操虫棍のない世界には戻れない、というのはある)。

色々な村があるのもMHXXの特徴

生業としてのハンター

さて、ここでいうMHの基盤とは、多くのハンターが(プレイヤーではなく、あの世界のハンターが)、等しく経験するであろう最大公約数的な狩の日々のことをいう。重要なのは、その主人公は(当たり前だが)ハンターである、ということだ。

主人公はモンスターを狩ること・その領域にあるものを持ち帰ることで生活し、一生を送っている。それは第一次産業であり、極めて日常的な仕事として行われるものであるはずだ。まずはそのような生業として、その行為は構成されねばならない。

そして先に述べたように、その枠組みを規定するのは、第一に村の需要の側にある。村がどのような環境にあり、どのようなものを必要とするのか、という話が、ハンターの行為に先立ってあるのだ(というより、ここを精緻に考えやすいのが村というスケール、ということになる)。

こんな脅威が毎月あるような土地には住めない

モンスターにしても、村が素材の供給源として期待する相手は絞られる。その調達難易度が高過ぎれば、日常を構成する安定した素材の供給源とはみなされないだろう。具体的には、危険度★5以上のモンスターが出没するのは数年に一度、さらにそれ以上ともなるとハンターの生涯にあるかどうか、という具合だろうから、それはもう非日常の領域といえる。

ハンターの生涯

ところで、そんなハンターはどんな生涯を送るだろう。ここでは次のようなモデルを想定している。

まず、成人年齢は15才であるとし、これをもって正式にその村が管轄する狩場に出るものだとする。三年ほどはその狩場専門で基礎を培うだろう(閑期の「出稼ぎ」のような例外はある)。

そして、その三年目あたりで関門とされるモンスターを狩猟してのけたならば、より広い経験を積む資質ありとされ、ギルド本部のある街へと旅立つ。ココットの例ならば、イャンクックが狩れたらまずまず。リオレイアでも討ち取ろうものなら、期待の新人、ということになるだろうか。

若いハンターは、やはりここを目指す

街に出て色々な狩場に通じるのが良い、というのは村の要請でもある。そのような経験の上に立って振り返ることで、地元への理解は一層の深化をする。また、帰省するそのハンターのもたらす遠方の文物への期待というのも当然にある。ハンターはそんな二十代を送って中堅どころとなる。

その先には様々な道があるだろう。故郷に戻って村つきのハンターになる者、他の村を気に入り(需要があれば)その村のハンターとなる者。やや名を上げる才に恵まれた者ならば、街でギルドの要請に応え続けるだろうし、さらに飛び抜けた者ならば、特務を帯びるハンターにもなるだろう。

MONSTER HUNTER 0

MH0では、この中の街へ出る前のハンターの活動に注目したい。そのハンターの狩猟が生業として成り立つか否かの分水嶺がそこにあるからだ。そしてそこにMHの基盤を置きたい。その先どのようなハンターになるにせよ、そこまでは多くのハンターがたどる道だろうからだ。また、それが「狩猟文化」という文脈にMHをのせる道筋となる。

狩場に出た若者が経験する出来事、物事、その細かなところまで背景を思い描き、ゲーム画面に見えているものの内部に折りたたんでいくこと。できればそれを豊潤な狩猟文化の文脈に接続させていくこと。そうしてできた厚みが、各々のMH0となる。

では、まずはそもそもの始まりの地・ココット村や、(プレイヤとしての)より多くのハンターを送り出したポッケ村を舞台として、そういった狩の様子を見て行くことにしよう。

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森丘とランポスと
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