HUNTER's LOG
MONSTER HUNTER 0

ホワイトアウト


ポッケ村のルーキーハンターもまた、ココット村と同じく三年ほどで関門となるモンスターに単独挑み、街へ出る。この雪山の関門はドドブランゴとなるだろう。ゲーム上はさらに強力なモンスターが雪山で暴れるようになり、少々影の薄くなったドドブランゴだが、やはり「雪山の主」の座にしっくり収まるモンスターはこのボス猿である。

ところで、雪山ハンターは雪山のレンジャーとして、遭難者の救助なども行なっているはずとしたが、MHXXのゲーム上で実際に遭難者の救助依頼(やることはモンスター討伐だが)となっているクエストがひとつだけある。それが村上位のドドブランゴ討伐クエスト「ホワイトアウト」だ。ドスギアノスと鹿角ノ弾弓の都合でポッケ村のルーキーの話は上位を舞台としたが、ぜひともこの「ホワイトアウト」をもって関門としたいという理由もあった。

ホワイトアウト

フルフルと毒の使用と

と、またその前に。雪山にはまたの危険度★4モンスターが出没する。フルフルだ。電撃というあの世界ではまだ「不思議」扱いだろう力を使うフルフルだが、これが弓使いにとってはほぼほぼ「的」である。それで森丘におけるイャンクックとリオレイアの間(ゲリョスか)あたりと見做されるが、体力だけならドドブランゴを上回るモンスターであり、ルーキーにとっては油断ならぬ相手だ。この討伐に成功していることがドドブランゴへの挑戦権となっているだろう(このあたりからが沼地で用意していた鳥幣弓の出番となる)。

そこで、またここでの雪山の狩事情の特異なところをあげておきたい。ここではモンスターの再生力を減衰させるために、まず大タル爆弾が使われる、という筋を定跡としているが、雪山ではこれが行われない。雪崩を引き起こすためだ。それで、この代わりに特殊な毒を使って再生能力を減衰させている、としている。雪山のハンターは、独自の採集と独自の製法でその毒を調合し、毒ビンとして使っている。だから、店売りの毒ビンは使わないのだ(ちなみに、さらにここでは一般の毒もモンスターの各部位を素材として劣化させてしまうとして、その使用に制限があるものとしている)。

まず毒化させるという想定

簡単に毒化するが、実は大したダメージを受けていないというフルフルなので、ゲーム上普通毒は使わない相手だが、ここでは上のような理由で、大型モンスターはまず「独自の毒ビンで」毒化させる。それが雪山の定跡なのだと思われたい。

狩の基本的な流れもおさらいしておこう。ルーキーはモンスターの脅威が増す怒り時には基本撤退するもの、だった。また、ゲーム内の1分をあの世界の一時間とし、開始から15〜25分を休みとし、大型モンスターは二日目に決着を目指す、ということでもあった。

また、ゲーム内にはない「撃退」がよく目指され、部位破壊をもって撃退とする、というのもある。村上位の単体のフルフル討伐クエスト(まごころ診療所)は、部位破壊がサブクリア条件なので、これにはうってつけだ。この辺りの流れは基本雪山でもそうしたいところと心得、普段のドドブランゴ討伐などでもそれは同じこととしたい。

部位破壊で撃退扱いに

しかし一方で、雪山には他地域よりも一気に狩り切ってしまうことを目指す事情もあるか、とも思う。天候の悪化という敵がいるためだ。二日目を見込んでいる余裕がないことは結構あるかもしれない。

さらに、夜のフルフル狩猟というのも考えどころだ。おそらく、昼は洞窟に引きこもっているフルフルも、夜には外に出てくるので、そこを狙う(ひらけたエリアだと格段に危険度が低くなる相手である)という話があるものと思う。加えて異常な再生能力を持つというフルフルだ。できれば一晩で狩り切ってしまいたい相手かもしれない。

フルフル自体、怒ったところでそうスピードアップするというモンスターでもないので(一撃は危険になるが)。あるいは弓使いならルーキーの頃から構わず狩を続行するかもしれない。それならば、ルーキーの拡散弓(実は使いこなすのは難しい)でも、夜が明ける前に巣に追い込めるかもしれない。このような「一晩で」志向があるというのは次の関門クエストにも影響がある。

一晩で狩り切ってしまうか

ホワイトアウト

ドドブランゴの出没する雪山で貴族が何をするつもりだったのかは知らないが、ともあれその貴族が遭難し、脅威となっているドドブランゴを討伐してこれを救出せよというのが「ホワイトアウト」クエストである。今回は、珍しくこれをそのまま使って関門クエストとしたい。

というのも(また余談だが)、十数年前、わが主人公のリオとは縁の深い(どころではないが)ルーキーハンターの少女が、このポッケ村を舞台に、一人前を目指して挑んだクエストの背景がそんなであったからだ。そのとき彼女は「そろそろドドブランゴの単独狩猟に挑む頃合いか」と見られてはいたが、まだ具体的な日取りなどは決まっていなかった。そこに遭難者救出の緊急依頼が入るが、村の先輩ハンターは出払っている。村長は難しい顔をして、ただの討伐よりもはるかにハードルの上がってしまった内容だがどうするか、と彼女に問うた……というような話である。

「ホワイトアウト」を関門とするのは、この話の再現ということであります。まず要救の行程をトレースし、急場を凌ぐだけの食料その他を与える前段があり、しかし夜間に衰弱した要救を連れてドドブランゴの襲撃を掻い潜り下山するのは不可能、ゆえにこれを討伐せなばならない、という状態だ(これが日の入りのこと)。

翌日の日中に要救を下山させたいのであり、ドドブランゴは一晩(ゲーム内15分)で討伐せねば、という話となる。そうなると怒ったら退却という余裕もないが、フルフルとは違って怒ると非常に危険になるボス猿ではある。これを閃光玉やシビレ罠でいかに凌ぐか、という狩猟になる。

怒ったら閃光玉

ドドブランゴ怒り時に閃光玉を使うと、その場で吠えるは暴れるわで近接武器では悪手となる手だが、とりあえずどこかに当てたいというルーキーの弓使いにとっては有効な手だ(ピンポイントで弱点を射抜くのには向かないが)。殊に、牙が折れたのちは咆哮が無力化するのでさらに有効である。

ゲーム上のこととしても、何分マフモフS一式では、多少強化していても怒り時の一撃を食らえば半分体力を持っていかれる相手なので、立ち回りがまだ不慣れなルーキーにとっては、この足止めが勝負を決めるといってよい。

また、実は拡散弓というのはドドブランゴ狩猟には向かないものなのだが、必殺の狩技トリニティレイヴンを使うとかなりカバーできる。何気にブレス時など、やや斜め前から撃ち込む隙の大きいドドブランゴであるので、そこでトリニティレイヴンを撃ち込んでいきたい。

トリニティレイヴンは強力

このような具合で、ビン類も惜しみなく使っていけば、ルーキーでもどうにか一晩で狩り切ることができるだろうか。遭難者の救助としてのモンスター討伐は、このような「一晩で」制限が重要かもしれない。雪山とくれば針10で、というのはひとつの指標となるだろうか。無論「討伐」に限定せずとも、このドドブランゴなどは牙を折られた時点でボスとしての資格を失い、放っておけば退散するはずのモンスターである(通常はこれによる撃退を狙うだろう)。まずはそこの線を目指すのでも良いかと思う。

ともあれ、こうして無事翌日中に遭難した貴族を連れて下山するわれらが雪山ルーキーなのであった。そこにはMHWの「名もなき狩人の矜持」を流したいところではある。日常的なハンター生活の中に時折挟まれるドラマとしては、このくらいが良い。これをもってドンドルマへと上るルーキーだが、あるいはこの貴族の件を端緒にして波乱に満ちた道行となったりもするかもしれない。

そして日が昇る

▶︎ 関連記事

概要
MHシリーズの基盤にはどのような構成があるべきか、ここでは「MONSTER HUNTER 0」のタイトルでそれを考えてみたい。

▼ ポッケ村

雪山と弾弓と
ポッケ村と雪山のルーキーハンターの話も、その骨子や構成の仕方はココット村のそれとそう変わるものではない。ここではその辺りはざっと見ることにして、雪山ならではという部分をクローズアップしていきたい。

交易とレンジャーと
雪山地域は物資に乏しい。セカンドフィールドを併せ考えてなお、そうだろう。そこで、他地域との交易が重要となってくる。雪山での採集は、その交易を行うための「他地域での需要」を見込んだ活動となる。自分の村の需要という視点とは少し異なるのだ。ここでは砂漠地域との交易を例にそれを見てみたい。

沼地と鳥幣弓と
雪山のモンスターは押し並べて火に弱い。ここのハンターにとって火属性の武器を備えることは序盤の大事である。弓使いであれば、イャンクックの弓、鳥幣弓にこれを求めるだろう。

▼ その他

狩場の時間とイャンクックと
今回のお相手となるのはわれらがイャンクック先生であります。ゲームプレイヤーとしてはもう十年以上狩り続けている相手なので、LV.2 サーペントバイトであっても5分もかからず狩れてしまうのだが、無論あの世界でそういくわけはない。

激闘リオレイア
ココット村のルーキーハンターは、三年ほど村と直轄の森丘の狩場で基礎を培う。そして、関門とされるモンスターを狩猟してのけたならば、ものになる者として街へ送り出される。イャンクックを狩れればまずまず、リオレイアを狩ってのけたならば期待の新人と見做されるだろう。