HUNTER's LOG
フィールド寸描

森丘


「フィールド寸描」では、普段大型モンスターと渡り合っているだけだと赴くことも稀になるエリアや、見逃しがちになる光景などを紹介していきたい。今回は森丘。

森丘は昔は森と丘と呼ばれ、ココット村近隣のそれは、名の通りシルクォーレの森とシルトン丘陵から成る。ベースキャンプはその麓の隠れ家的なエリアにあるが、ゲーム内では朝日が差している。

ベースキャンプ

森丘のベースキャンプはエリア1の岩壁の穴の奥、その岩壁に囲まれたエリアだとされるが、少々疑問がある。下の画像を見ていただきたいが、ベースキャンプ側から見る隧道の外はエリア1の当該箇所のそれとは違うように見える。エリア1の穴をくぐって、しばらく森中を歩いた先にベースキャンプに入る穴がまた別にあるのじゃないか。

一本の隧道ではない?

というのも、ベースキャンプを取り囲んでいるのはそもそも岩壁なのか?という疑問があるのだ。これはSwitch版MHXXの高解像度の画面を見るようになってから気になったのだが、周囲の壁は樹壁のようにも見える。

つまり、ベースキャンプは丸ごと朽ちた巨木の切り株の中のような場所なのじゃないか、ということだ。現在そのような巨木は森丘に見えないが、森エリアの所々にはそういうものがなくては合点の行かぬ長大な木の根が走っている。

今はない巨木の切り株の中?

原生林や古代林など、昨今のフィールドは、超巨大生物の終焉の地に異常な植物の繁茂が見られる、という光景を描いている。その巨木とモンスターの関係は定かではないが、『ハンター大全』には巨大な森のような古龍も見える。もしかしたら森丘にもそういう想定があるのかもしれない。

おまけで転がしニャン次郎のこと。当方はMHX発売このかたここ三年はMHX・MHXXを主として狩をしているので当たり前の存在となっているが、ニャン次郎もMHP3以降久々の復活(復職?)だったので、見慣れぬ方もいたかもしれない。

ニャン次郎はクエスト中一回荷物を預かって自宅に届けてくれる。採集しすぎて荷物がパンパンになっても、ニャン次郎に頼んでもう一周できる、ということだ。驚くべきことに飛行船の発達で到達できるようになったという遺群嶺にもいる(行きは一緒に行ってるとしても、タル配に出るときはどうしているのか)。

わが主人公は他のことはともかく、このタル配便の使用回数という点だけなら人後に落ちぬという自負がある。ニャン次郎とはこの先も末長いおつきあいをお願いしたいものである。

転がしニャン次郎とタル配便

エリア1

MHのはじまりの地といえる森丘エリア1。ここでわが主人公のことを少し紹介しておこう。MH0の稿でルーキー役をやっているが、彼は実際はもう三十代も半ばのハンターである。ココット村出身で名をリオ・ホワイトロックという。

もう知る人もいないかと思うが、実はリオに関しては幼少期からの長大な物語があり、今はその半ばとなる。十年前の黒龍の復活とこれに呼応した古龍たちの活性化という未曾有の災厄の際、これらを迎え撃つハンターたちの中核の一人として活躍、以来その時に失われたあるものの探索を続けている。

家名は森丘のあの岩山に由来する

その探索はギルドの至上命題でもあり、リオは繋がりのある全ギルドから全権の行使を許されているハンター。今しばらくは色々な土地でのルーキー役をやってもらうことになるが(といってもココット村の出なので、森丘のルーキーは彼自身の通った道でもある)、いずれ彼自身の物語がまた語られることもあるだろう。見知りおかれたい。

ちなみにおともの「こま」も十年来だが、それ以前にリオと一緒にいたアイルーの子。「東方には〝こまねこ〟なる勇猛な守護獅子がいる」という旅人から聞いたちょっと間違った話を真に受けた親が「こま」の名をつけてしまった。数年前に謎のモンスター(ゴア・マガラ)の急襲からリオをかばって左眼を負傷。隻眼。

実は古強者のうちのこまさん

エリア7

所謂「山菜爺さん」のいるエリア。プレイヤーがベテランになってくると山菜爺さんの交換をあてにしなくなるので、エリア共々だんだん空気のような存在となる。しかし、ここでは山菜爺さんの存在は極めて重要なものなので、たまには訪れたい。

なんとなれば、ここではハンターを「帰ってくる者」と規定しているのに対し、山菜爺さんに代表されるフィールドの竜人を「帰らぬ選択をした者」と規定しているのだ(MHWの古代竜人が本来の姿だろう)。人間のハンターの中にもまま「帰らぬ選択」に誘惑される者がいる。しかし、定命の人にとってその選択はいかがなものか、と問うてくる先達として、森の竜人はいる。

「森の人」ポジションなのが山菜爺さん

ところで隣のエリア8ともども、この辺りの緑は尋常ではない。ベースキャンプのところで述べたような巨木の名残が感じられる場所である。そういった巨木ないし樹木性の巨龍の終焉の跡に生まれつつある新緑の土地、というような話があれば、ここがふさわしい。

MHWに至ると、モンスターたちの源に生命潮流的な流れがあることが示されてきている。このエリアはその流れなり、その痕跡なりが強く影響している土地に見える。もしそうなら、森の竜人が常駐する所以でもあるだろう。

新しい緑の生まれる地の雰囲気がある

エリア12

言わずと知れたアイルー集落。今作では交易に重要となるアキンドングリの採集ができるので、アイルー集落に訪れる機会も増えたろうか(あれはネコ地蔵へのお供えの「賽銭泥棒」じゃないのかという気もするが)。代を追うごとに派手になる印象のそのネコ地蔵も、こう見ると初めから結構立派である。

それにしても、あれはそもそもなんだろうか。普通に考えたらアイルーたちの神さまなんだろうが、人間の発想とどこまで通じるのかという気もする。MHWでは、アイルーたちの原種ともいうテトルー族が登場したが、ネコ地蔵のようなものは見ない。獣人固有の文化なのか、人との交流から生まれた文化なのかは興味あるところだ。

最初から立派なネコ地蔵はあった

そのアイルー集落へに入り口に当たるエリア11は全フィールドでも屈指の良い雰囲気を持つエリアだ。MHXで森丘が復活したのは実に七年ぶりだったが、真っ先にここへ向かった古参は多かったのじゃないか。釣りの依頼以外では、地味に砥石がたくさん拾えるくらいしか実はないが「森丘といえば」といえるほどのエリアだろう。

実際に狩猟をする人、漁をする人の話でも「なぜそれを続けるのか」と問うと「そこ(山中・海上)にいるのが好きだからだ」というシンプルな答えになることが多い。

MHのハンターもそうでありたい。

そこにいたい、が答えで良い

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