事項:ラ行


※年数は西域でもっとも稠密に遊ばれるフェランの村の開村からの数字。MHXX の主舞台は270年、MHRise の主舞台は275年となる。

ラ行見出

ラルフ・ニール
竜の横溢
レイナードの娘たち

ラルフ・ニール(男 19〜64*)

ないしラルフ・グローバー。フェランの村の二代目村長トレイ・ニールの長男。名づけはメルヴィル・ニール。この子はフェランを超える英雄となる、と予言しての命名であった(フェランもラルフも狼を意味する)。その予言の通り、ラルフは幼い頃から尋常ではない身体能力を発揮し、10才の頃には普通に狩場に出、15才で単身リオレウスを狩ったという。後に妻となる四つ下の妹分エルダ・ジャーヴィス(ハロルドの娘)の目には、それは正に英雄の誕生と映った。後ラルフとエルダはコンビを組んで狩を行っていくが、ラルフはレウスシリーズ、エルダはレイアシリーズをトレードマークとしていたという。

同時期、人の活動域の拡大とともに、従来のベテランハンターを容易く返り討ちにする強個体モンスターの存在が問題となってきていた(後の特級モンスター、ゲーム内のGクラス・マスタークラス)。ラルフの異能を知ったギルドは、フェランの村に常駐の職員(タリア・スカリー)を派遣し、各地の強個体モンスターの討伐を依頼した。ラルフとエルダは後の特級ハンターの先駆けといえる。

狩のスタイルとしては、ヴィンセント・アーチボルトの教えを受け、彼の理想としたオールラウンドなスタイルを完成させた(ただし、難しすぎて完全な後継者はいない)。

村長となることも望まれたが、それはニール本家が継ぐべきと考え固辞、後半生自身は母方の姓グローバーを名乗った。フェランの村の村付きハンターを多く出すグローバー家はラルフとエルダの子の子孫。

晩年は不明。ニール家のアルフレッドからフェリックスに村長家が継がれるのを見届けると、45才のときに妻エルダとともに村を去っている(この年が行年とされているが、実際の没年は不明)。「古代人の招きに会い、東の果てへ旅立った」との口承が残る。

村を去ったラルフとエルダがどうしていたかというと、古龍を狩っていた。当時はまだ人が古龍と戦う術がなく、それは竜人たちの扱うべき脅威であったが、ごく稀に人の身で古龍と戦える性質を持つものが竜人に見出され、スカウトされていた、ということ。実は、82年にフェランの村の狩場を侵したオオナズチは、五年ほど前にラルフが討ちもらしたものである。守秘のためもはや人の暮らしに干渉できない立場のラルフは、秘事の一部をアリスに伝え、対応を依頼した。

竜の横溢

モンスターの棲息域において時折見られる現象。原因は定かではないが、その土地のモンスターが特級(ゲーム内のGクラス・マスタークラス)相当となり、また凶暴化し暴走、周囲に溢れ出す現象をいう。

これが人里近くで発生すると、近隣の村落はまず助からないので、近年までその実態は不明とされてきた。半世紀前のロルフ村の壊滅も、対応が成されたのは壊滅後のことである。

ところが、35年前にメタペタットが竜の横溢に襲われた際は、里人の避難とギルドナイツの急行が比較的速やかに行われ、発生直後から収束までがハンターズギルドの観察下で進行することとなった。このような事態は西域では過去の記録にもない。

メタペタットの例では、特級相当の強力なモンスターの暴走が一年の間断続的に繰り返され、その後は強個体(ゲーム内の上位相当)モンスターの棲む土地、というあたりに収まった。狩場としてはベテラン未満の立ち入りが禁じられはしたが(これは現在もそうである)、発生から三年の後には、里人たちの帰郷が許されている。

レイナードの娘たち

四宝石の調合家の一流、ウィンズローの三人目のルビー(シンシア・ウィンズロー)に協力した母娘三代のハンターをいう。

シンシアより二つ上だったウィナフレッド・レイナードを皮切りに、その娘メイジー、その娘テレサまでがシンシアに狩場からの素材を提供した(テレサの娘シャノンもシンシアの名付けで彼女まで含んでいうこともある)。

調合師に提供する素材といっても、採ってすぐの一次処理で価値が大きく変わってしまうことも多く、採集者(ハンター)の能力が問われる。この点において、特にメイジー・レイナードにおいて〝採集家〟といえるほどの技術の体系化が成されたのが重要となる。この技術はシャノン・レイナードがフェランの村から出た英傑ラルフ・ニールに付いて、余人の立ち入らない深いフィールドへ入った際にも、劇的な成果をもたらした。

彼女たちの技はシンシアとの縁が前提だったので、シンシア亡き後家芸として続くことはなかった。とはいえ、失伝したというのではなく、ウィンズローの本家やフェランの村へのその技の伝播は当初よりあった。そして何よりセレナ村において、集大成と続く蓄積が成されることとなったのは大きい。